Diary

炎の蜃気楼R第7巻発売

  • 2023/07/14 05:24

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こんにちは。我が家では昨日お盆を迎えました。
数日前からいきなりの猛暑襲来だったのでびびっていたのですが、昨日は比較的涼しくてホッとしました。
亡き父も今頃、久しぶりの我が実家でのんびりしていることでしょう。

『炎の蜃気楼R(リブート)7』(浜田翔子先生/秋田書店ボニータコミックス)発売しました!

高耶と譲のふたりがカバーに登場。深い青が七夕の夜空みたい。
そして帯にはしっかり鎖でつるされた直江さんも。
高耶の身に衝撃的な出来事がふりかかる中、千秋と譲が仙台に合流。夜叉衆の巻き返しが始まります。一方、最上義光&義姫(政宗の母)に捕まった直江を助けたのは、意外な人物で……。

個人的にお気に入りの最上義康くん。(多分、憑坐の女の子がとても霊力の高い子なのだと思いますが)とても可愛いです。表情とか。それと義姫(於東の方)もかっこいいです。こだわりのファッションにもご注目を。

浜田先生が描くバトルシーンは勢いがあって映画を観ているみたい。
ぜひお手にとってみてください!

炎の蜃気楼R6巻&文芸ラジオ寄稿

  • 2023/06/27 12:41

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梅雨らしくムシムシした天気が続きますね。
まずはすみません! 今年入ってからいきなり二ヶ月連続新刊でてんてこまいだったため、こちらに載せるのがすっかり遅くなってしまいましたが、

『炎の蜃気楼R(リブート)』第6巻(作画 浜田翔子先生)秋田書店

発売中です。カバーは直江と高坂登場。直江捜査官です。このふたりのツーショットカバーは実は初めてでは。(アニメのDVDがあったくらい?)
このコンビ(?)はなぜか昔から人気があって(というか高坂が直江いびりが好きすぎる。いじり甲斐があるんでしょう)高坂が嬉しそう。
というか、高坂ってカバーに出たことないのでは!?
直江の手錠を描くために、浜田先生が手錠ゲットしておられたのがすばらしいです。原画展でお邪魔した時にはめさせてもらいましたが(……)手錠ってはめられた時の恐怖が半端ないですね。
直江がんばった。

7月13日には、もう次なる新刊リブート第7巻が発売です。
ぜひご予約くださいませ。

そしてもう一冊は
文芸誌『文芸ラジオ9』京都芸術大学 東北芸術工科大学
に短編を寄稿しました。

タイトルは「ショウタロウさんの忘れ物」。会津若松の女子高生が主人公の読み切りです。
『文芸ラジオ』は毎年、山形にある東北芸術工科大学芸術学部文芸学科の学生さんたちの手によって編集されている文芸誌だそうです。
芸工大さんにはかつて「炎の蜃気楼ワイン契シリーズ」でお世話になりました。大学の授業で行われた学生さんによる商品企画を小島洋酒店さんが実際に商品化したのが最初の「契ワイン」でした。(企画メンバーに読者さんがおられたのですね)
そこから契シリーズは小島洋酒店さんの企画で様々な商品が展開し、長く続きました。そのきっかけになってくれたのは芸工大の学生さんです。
当時のご縁を懐かしく感じまして、今回は寄稿いたしました。
Amazonなどでも取り寄せできますので、ぜひ興味のある方はお手に取ってみてくださいね。

新刊『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』発売

  • 2023/04/24 19:21

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新刊『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』(角川文庫)

発売しました。
シリーズ第17弾の舞台は大分県。
発掘調査の学生指導に派遣された無量を、土の中で待っていたのは、謎の鬼の面。その直後、まだ発掘されていなかった遺物が何者かに盗まれてしまいます。無量たちは「まだ見ぬ遺物」を探すため、奔走することに。

装画はおなじみ睦月ムンク先生です。
睦月先生によれば、作中における無量の成長を反映して少し大人びた顔つきに描いてくださったとのこと。どこかユーモラスでもある迫力ある鬼の面たちが目印です。
取材で大分県を訪れたのは、ミラージュの時以来でしたが、国東半島の六郷満山は以前から興味があったので、今回舞台にできて心躍りました。
取材当日、大雪にみまわれ、大分空港は閉鎖されるわ、国東半島のお寺に行こうとしてタクシーもスタックしてしまうわ、大騒ぎでしたが、取材自体はぎゅっと凝縮した内容となりました。あのあたりでは十年に一度の大雪だったとのことで、「十年に一度」の幻想的な雪景色。真っ白な鶴見岳や雪に埋もれたお寺の景色を見れたのはラッキーでした。
話の季節が夏だったため、雪景色が書けなくて残念。

実は担当さんが大分県出身ということで、いろいろ大船に乗った気持ちで書けました。方言も! 頼もしい限りでした。
「鬼と仏が出会う里」という国東半島に埋もれた歴史や習俗といったものが存分に書けたのではないかと思います。
愉しんでいただけると嬉しいです。

ただせっかく別府を訪れたのに、肝心の温泉にはとうとう入れなかったので(足湯だけ)あらためてゆっくりと訪れてみたいものです。

単行本『荒野は群青に染まりて 相剋編』本日発売

  • 2023/03/24 10:58

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お久しぶりです。
1月から多忙を極めたためこちらの更新がすっかり滞っておりました。
その仕事がようやく結実しまして本日新刊発売です。

単行本『荒野は群青に染まりて 相剋編』(集英社)

装画は前回に引き続きましてRe°先生です。書き下ろし扉絵もあります。
前回が夜明けで今回は朝焼けのイメージです。素敵。

舞台は昭和三十年代の東京。
進学するため「ありあけ石鹸」を離れた群青は消息不明。
「ありあけ石鹸」は高度経済成長の荒波にもまれ、倒産の危機にあって身売りを余儀なくされた。
赤城は社長から一社員へ。親会社からやってきた経営陣のもとで、苦闘する中、群青に関する「奇妙な手紙」が届く……。

昭和三十年代の製造業を書くのは、なかなかに骨でした。
消費財メーカーの友人の力も借りて書き上げることができました。
企業小説のような一面もある今回の話で、作家としての自分の世界を広げることもできたのではないかと思います。
相剋編のテーマは「群青と赤城の対決」。
上巻にあたる暁闇編から十年、登場人物それぞれが生きてきた時間を背負って、成長や変化した姿を見てもらえると嬉しいです。
ふたりの絆の行方を見届けてください。

そして4月には遺跡発掘師シリーズの新刊も出ます。

4月24日発売 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』角川文庫

こちらもよろしくお願いします。

2022年を振り返って(その2)

  • 2022/12/31 13:31

→それから、今年は長年の懸案事項だった『風雲縛魔伝』『シュバルツ・ヘルツ』(集英社)『イルゲネス』(マッグガーデン)がそれぞれようやく電子書籍化できました。
特に『イルゲネス』は小説レーベルではなかったので、マッグガーデンの担当iさんが尽力してくださいまして(電書化作業、大変でしたね。お疲れさまでした)漫画のほうから入った方にも小説のほう読んでもらえるかと。
古い作品を電書化するにあたっては、実は毎回校正が入ります。
その確認作業も地味に労力がいったので、なかなか巻数が多いと大変なのです。その作業もあと少し。
紙の本ではもう古本屋さんでしか手に入らない古い作品が、手軽に手にとってもらえるようになるのは、ありがたいです。(紙の本は新たに刷らないと書店さんにも置いてもらえず、新たな出会いの機会がないので)
電書のよさと紙のよさ、両方の選択ができるのが、一番いいですよね。

そして漫画のほうは浜田先生が描かれる『炎の蜃気楼R』4巻と5巻(秋田書店)が発売されました。
仙台編の新たなキャラクターたちが魅力的!
特に伊達トリオ(政宗、小十郎、成実)が大人の魅力溢れていて素敵すぎ!
思わず「もっと出番を増やしていいですよ~!」とけしかけてしまうほど。
あと国領さんがとても良きですね。浜田先生は若者だけでなく、味のある大人を描かれるのがとても巧みでいらっしゃる。熟年世代や高齢者まで、幅広い世代の魅力的なキャラを描けるのは、さすがだと思います。
第6巻は2月発売です!
カバーはあの方とあの方……お楽しみに!

さて、そろそろ〆に入ります。
今年は年齢ゆえの体調不調に見舞われたりしまして「あ、今まで通りにやってちゃだめだこりゃ」ということを思い知りました。
調子が良くなってもふとした拍子に不調がぶり返すこともあるので、来年は「自分ファースト」をモットーに、周囲の理解も得ながら、無理のないペースで物事を進めていこうと心に決めました。
年齢なりの不調は避けられませんが、精神的にはいろんな焦りやプレッシャー、生きづらさといったものから少しずつ解放されて、もしかして「熟す」というのは、こういうことなのかな、とうっすら感じられるようにも。
人生、失うものがあれば得るものもあり、同じ境地ではいられなくなるからこそ「今」という時間が輝くのであり。
無常は切なくもあり、面白くもあり。
何か大きなことを成さずとも、ひとはただ向こうからやってくる毎日をひたすら生きて生きて、与えられた時間の分だけ、命を全うする。ただそれだけで十分価値があるのだということ。やっとわかってきた気がします。

今朝起きて、夕方まで生きているかもわからない。
運命というのはそういうものだから、いま書いているものが最後の一筆になるという気持ちで向き合っていこうと思います。

来年も桑原水菜作品を何卒よろしくお願いいたします。
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

2022年を振り返って(その1)

  • 2022/12/31 12:37

2022年も早いもので、今日が最後となりました。
この一年を振り返って、今年の〆とさせていただきます。

小説のほうは、今年は三冊、新刊が発売されました。

単行本『荒野は群青に染まりて 暁闇編』(集英社)
こちらは『青春と読書』にて2019から一年ちょっと連載したものに、加筆修正を加えた作品となりました。
舞台は1945年(昭和20年)から4年間。
主人公は朝鮮半島から引き揚げてきた中学生・群青。引き揚げ船で母が消え、謎の男・赤城や近江兄妹らとともに、焼け野原の東京を生き抜く姿を描きました。終戦直後の東京を、引揚者の視点で描くというのも、独特なものがありました。
群青にとっては見知らぬ祖国。戦災孤児と育む友情や、戦争を引きずる人々がどうやって何もないところから生き抜いていったか、想像して、自分を投げ込んで描きました。
「暁闇編」とあるように続編があります。
今年はそちらを書き上げました。……なかなか難産でしたが、面白い作品になったのではないかと思います。
「相剋編」と銘打って、10年後のお話になります。群青は28歳。赤城も42,3歳。義兄弟の絆、親友との絆、ありあけ石鹸はどうなっていくのか。

来年春あたりに発売されますので、ぜひそちらもお読みいただけると嬉しいです。

『遺跡発掘師は笑わない 榛名山の荒ぶる神』(角川文庫)
『遺跡発掘師は笑わない 榛名山の眠れる神』

無量の新作は、前後編になりました。群馬が舞台でした。
古墳時代の上毛野国と幕末の上州をつなぐストーリーは、チャレンジングでした。私のルーツでもある群馬の歴史を深掘りできて、好奇心も満たされましたし、より愛着が湧きました。
無量にとっては試練をひとつ乗り越えて、成長するきっかけになったのではないかと。さくらとミゲルの意外なコンビは書いていて楽しいです。
忍は相変わらずですが、ひそかに萌絵も成長していて(最近はすっかり笑い担当でしたけど)さくらたちがいることで萌絵が先輩っぽくなってるのも頼もしいです。
このシリーズのメインは、舞台になる土地の地域史です。
いわゆる教科書に載る日本史に留まらず、東アジア史の中での日本という視点を大切にしようと考えております。
巻数を重ねるほど増えていく地域史の豊かさが作品そのものを深く大きくしてくれているようで、書き甲斐を感じます。その土地ならではの遺物、歴史、人々の営み……、そういうものを見いだして、探し出してきて題材とし、料理する作業は最高にエキサイティングです。(大変ですけども……)
担当さんからは「このシリーズはどの巻もカロリーが高い」と言われる通り、情報量も多い作品ですが、読み口は決して重くないので、ガッツリ読みたい方、好奇心を満たしたい方、うんちくはすっとばして無量たちのノリを楽しみたい方、……いろいろな楽しみ方ができるかと。

次回は春あたりになりそうです。
どうぞお楽しみに!

→(長くなったので続きます)

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