Diary

2016年12月の日記

『炎の蜃気楼昭和編 紅蓮坂ブルース』発売

  • 2016/12/27 22:33

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日記では大変ご無沙汰しております。
なんと! 舞台の振り返りもしないまま、今日に至ってました!
Twitterのほうでは十分振り返ったのですが、おかげさまで大成功でございました。
観に来てくださった皆さん、ありがとうございました。
そして、夜叉衆ブギウギの次に来るのは、新刊ということで。

『炎の蜃気楼昭和編 紅蓮坂ブルース』本日発売です!


本年最後の新刊となります。
イラストは、高嶋上総先生。
この迫力あるカバーイラストの景虎が目印。

昭和編第八巻。内容のほうは、佳境が近づいてまいりました。
織田との苛烈な戦争とともに、景虎と美奈子をめぐる直江の苦悩は、彼ら自身を追い込んでいきます。
本編で断片的に描かれてきたエピソードの数々を描くのは、本当に、気持ち的には戦場にいるような思いです。
急坂を息きらしながら、のぼっているような。
そんな八冊目です。
残り二冊の予定。
泣いても笑っても、ラストが近づいています。
いっしょにこの坂を最後まで上りきってやってください。
よろしくお願いいたします。

2016年を振り返って。その1

  • 2016/12/30 20:36

今年も残すところ、あと一日となりました。
新刊『炎の蜃気楼 昭和編 紅蓮坂ブルース』も無事発売となり、
ほっとしつつ、年末年始も変わらず原稿にいそしんでおります。
さて、2016年に刊行したものを、並べてみますね。

2月『炎の蜃気楼昭和編 無頼星ブルース』(集英社コバルト文庫)
  『人魚島』(リブレ)
6月『遺跡発掘師は笑わない 悪路王の右手』(角川文庫)
8月『炎の蜃気楼昭和編 悲願橋ブルース』(集英社コバルト文庫)
  『遺跡発掘師は笑わない 悪路王の左手』(角川文庫)
12月『炎の蜃気楼昭和編 紅蓮坂ブルース』(集英社コバルト文庫)

今年は全部で6冊刊行という感じでした。
(ラストは一応2017年1月刊という体ですが)
どれも思い入れ深いですが、『遺跡発掘師~』の東北編は、特に震災の復興発掘を描くということで、とても神経を使った分、形にできたことが感慨深く。
取材での出会いの数々もありがたかったです。遺跡発掘にたずさわる方、文化財保存にたずさわる方、現場の方々のお声をたくさん聞けて理解も深まったように思えます。
このシリーズは、現代に軸足を置きつつ、歴史や過去と向き合うストーリーなのですが、ダイナミックな大きな歴史の流れのことばかりでなく、自分の住む町の身近な文化財のこと、それを失うこと、守ること、そういうものにまで考えを深められたように思えます。
そこで得たテーマを、番外編という形で書くことにしました。
小説屋sari-sari1月号に掲載されます。こちらもよろしくです。

またミラージュの昭和編も、いよいよ佳境に。
本編でもたびたび触れてきた景虎と直江と美奈子の三人の関係に焦点がしぼられ、あらためて、彼らの道筋を体験してきました。プレッシャーも大きいので、常に戦場にいる気分ですが、最後まで書き切れるよう、体力をつけたいと思います。あと二冊。

リブレさんのほうからは『人魚島』がすてきな単行本で発売されました。
自分自身、心身ともに疲労しきって癒やしを求めていた時期に書かれたこともあって、あらためて読んでみると、火山島や海といったモチーフは、その時求めていたものなのかなと。その場にはいなくても、想像の中で自然の力に癒やされた気がした作品でもありました。黒髪褐色肌がたくさんかけて楽しかった。
また雑誌のほうでは一本、「ブラックスワン」という読み切りが書けました。
シュバルツ・ヘルツでも取り上げた冷戦終結の頃の東独がモチーフ。やはりあの時代の東欧はドラマティックです。
そしてエロスを書くと筆が鍛えられます。人間の本能と向き合い、それを描くのは大変ですが、作家には大事な作業です。

文庫書き下ろしが2シリーズ同時進行になってしまうと、どうしても、スケジュールがそれだけで埋まってしまい、なかなか新しいものや読み切りが書けないのですが、来年ミラージュが完結しますので、そのあとは『カサンドラ』的な読み切りにもじっくり取り組みたいと考えております。(その2に続きます)

2016年を振り返って。その2

  • 2016/12/30 20:45

→今年のメディアミックス。
まず『遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠』が、装画担当の睦月ムンク先生御自らの手により、コミカライズ連載されました。(雑誌『COMIC B's-LOG』)
無量シリーズは中の挿絵がないのですが、コミカライズにより、無量や萌絵、忍たちがどのコマでもふんだんにみられる!あんな表情やこんな表情!大興奮でした。
毎回とても丁寧な作画で、文章だけでは想像しにくいところまで細やかに、わかりやすく、描いてくださって、ほんとうにすばらしい。
睦月先生、ありがとうございます!
来年2月にはコミックス一巻が発売されますので、皆様ぜひ!

そして10月には、舞台『炎の蜃気楼昭和編 夜叉衆ブギウギ』の公演がありました。
メインキャストさん全て続投という、奇跡の第三弾!
皆さんすごくお忙しい中でこれが実現できたことが、何よりすごいことでした。
丸10日間ほぼ毎日二公演ずつというハードなスケジュールでしたが、
舞台の醍醐味をこれでもかと堪能させていただきました。
しかも舞台オリジナルの『やどかりボレロ』という書き下ろし脚本も手がけ、ミラージュの割と根幹的な要素を端的に描くことができ、それをキャストの皆さんの熱演によって板の上にあげられたかと。手応えのある舞台になったと思います。
そして今回も素晴らしいスタッフの皆さんのお仕事。
熱く濃密な時間と空間、演劇というものの力を魔力を、自分の書いた作品の中で感じ取れたことは、この上ない幸福でした。
劇場に足を運んでくださった皆さん、ありがとうございました。
それができなかった方も、DVDが発売されますので、ぜひそちらで堪能してくださいませ。

7月には明正堂書店アトレ上野店様の主催で、トークイベントも開くことができました。『カサンドラ』を熱く推してくださっている増山様の情熱のたまものです。
たぶん日本で一番熱く推してくださってます。これを売りたいんだ!という強い書店員さんの思いに触れ、感銘を受けました。
負けないよう、がんばります。

イラストレーターの先生方、担当さん&編集部&出版社の皆さん、編集プロダクションの皆さん、印刷所の皆さん、書店の皆さん、等々、本当にたくさんの方々にお世話になり、支えられ、時にご迷惑もかけながら、この一年も活動を続けることができました。
なにより、そうしてできあがった作品を読んでくださる皆さん。
ありがとうございました。
応援や感想の声に、支えられて、執筆を続けております。
来年も健康に留意して、桑原水菜の描く物語を、書き続けていきます。
そしてきっとまた素晴らしい出会いがありますよう。

本年もありがとうございました。
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

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