Diary

2023年09月の日記

時代小説アンソロジー「おつとめ」

  • 2023/09/16 03:23

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今年は9月になってもいっこうに秋の気配がやってきませんが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

新刊の原稿が無事にあがりまして、ほっと一息ついているところです。
著者校正がやってくる前の、嵐の前の静けさ的なお休みは、緊張感を頭の隅に残しつつ、とりあえずは休んでいられる、という不思議な時間です。
私にとっての著者校正という作業は、ある意味、原稿を書いている時よりもクライマックス感があるので、それに向けて力を蓄えておきたいと思います。
ジムに行けなかった分、体力も取り戻しておかないと。
(シュラバ太りした分の減量もしとかないと)

さてPHP文芸文庫さんから時代劇アンソロジー『おつとめ 〈仕事〉時代小説傑作選』という本が出ました。
こちらに『箱根たんでむ 駕籠かきゼンワビ疾駆帖』(集英社文庫)に所収されてます「道中記詐欺にご用心」という一編が収録されております。
もう10年前の作品なんですが、懐かしい作品をチョイスしてお声をかけてくださった編者の細谷正充さまに感謝です。
ゼンワビの気っぷのいいやりとりは、今読んでも楽しいですし、箱根の旧街道を歩いて取材したのを思い出します。坂がめちゃめちゃしんどかった!

私は「時代小説作家」というより「時代小説も書く作家」という感じですので、なかなかにこそばゆいものがありますが、こんな作品もあるんだね、と時代小説好きな方々に楽しんでいただければ、幸いです。

Mizuna info開設19周年

  • 2023/09/23 05:41

暑さ寒さも彼岸までと申しますが、長い夏を経て、ようやく朝が涼しいです。
さて、本日、当サイトは開設19周年を迎えました。
開設したのが2004年。ミラージュ本編が完結した年でした。それまではコバルトでだけお仕事していたので、私の情報はコバルトのほうで全部キャッチできたのですが、これからは外部での仕事も受けることになる……そのための情報発信基地を、と始めたのがきっかけです。
当時はSNSもありませんでしたし。
また新刊のお知らせだけではなく、いつどこでどんなものを書いてきたかは、このサイトを見ればわかる、という場所―データベースを作る、というのもコンセプトでした。
読者の皆さんが利用しやすいよう、シンプルに。
ということで、この形に。
私ひとりの力ではこんな素敵な場所は持てるはずもなく、管理人さんがしっかり作ってくれて更新してメンテしてくださってるおかげです。本当にありがとうね。これからもよろしくね。>管理人さん
私も50代も半ばにさしかかろうとしておりまして。
だんだん記憶力の衰えなども感じるようになってきておりますが、若さとともに失っていくものは、積み重なっていく経験と知見でカバー、という感じで、いまの自分のペースで仕事を続けていきたいと思っております。
(結構ね、ミラージュという大仕事を終えた時に、もう精神的に背負いすぎたり、深夜1時2時にバイク便のやりとりして担当さんを朝焼け見ながら校了するはめにさせてしまったり、エナジードリンクを何本も飲んで不整脈を起こすようなスケジュールを組んだりすることは、二度とすまいと心に誓いまして)。
アンテナを張っていると、題材のほうから「これを書いてくれ」と言われているような気持ちがしてくるものです。それを形にするのが自分の仕事、そういう一種の使命感とおぼしきものが掻き立てられる時は筆にも力が入るようです。
人生は登山のようなもので、死という名の頂に近づいて行くにつれて見下ろせる景色も広がっていく。あがっていくにつれて酸素も薄くなっていくことでしょうが、いまの標高に立つ自分の目線でしか書けないものを誠実に書いていこうと思います。
お付き合いできる方は、ぜひ、これからもごいっしょに。
この一年も何卒よろしくお願いします。

 

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