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コミカライズ版「遺跡発掘師は笑わない」2巻発売

  • 2018/03/02 18:31

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さてお知らせが続きます。
まずはこちら。

コミカライズ版『遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠』第2巻
作画/睦月ムンク先生(ビーズログコミックス)


発売しました!
原作で装画を担当してくださっている睦月ムンク先生によるコミカライズ。
第二巻は謎が謎を呼ぶ展開。
奈良県桜井市の上秦古墳で発掘調査中だった無量。
殺された教授となくなった出土遺物をめぐり、幼なじみの相良忍への疑惑がふくれあがります。

睦月先生による作画は、いつもながらに端正で、お話に出てくる古い文物や歴史をイメージ豊かに描いてくださっています。
発掘調査の現場も、とてもよく取材されていて、空気感が伝わってきます。
登場人物たちの繊細な表情にも、ぜひご注目を。
新キャラの鶴谷さんや美鈴さんも……アラフォー組がいい味出してます。
そして忍のやばさも……(笑)

アニメイトさんで購入すると特典のメッセージペーパーがもらえるそうです。
ぜひ原作の新刊と合わせてゲットしてくださいね。

文庫版『カサンドラ』発売しました

  • 2018/02/25 04:54

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平昌オリンピックもいよいよクライマックスですね。
この二週間、毎日目が離せませんでした。楽しませてもらいました。
肉体と精神どちらも鍛え上げてきたアスリートという人々は、素直にかっこいいです。

さて、
新刊『カサンドラ』(角川文庫)が発売しました!

2015年に単行本として発売されたものの文庫化です。
文庫版の装画は鈴木康士先生。
とてもスタイリッシュでハードボイルドなカバーイラストになりました。
鈴木先生、ありがとうございます。
物語の鍵になるアイテムや言葉がコラージュ風になっていて、
カバーをみるだけで胸熱です。

あらすじ

昭和28年。かつて日本海軍の空母だった客船アグライア号が、横浜港を出港。
保安隊(後の陸上自衛隊)の情報部に所属する入江秀作は、暗号名「カサンドラ」の流出をふせぐため、身分を隠して乗船する。
そこで、陸軍中野学校時代の同期だった佐賀英夫にそっくりな若者と出会うが……。
戦後史に隠された、日本の未来をかけた船上の闘いの行方は。

解説は三橋曉さんです。
終戦直後の時代背景などまで、とてもわかりやすく解説してくださいました。
物語の勘所を押さえた、大変丁寧な内容です。ありがとうございました。

文庫化にあたりまして、より精度を上げるため、いくらか修正を加えました。
未読の方も、ぜひお手にとってみてください。
読み応えのある作品にしあがったのではないかと思います。
よろしくお願いします。

『遺跡発掘師は笑わない 君の街の宝物』発売中

  • 2018/01/27 16:00

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某作業に追われて更新が遅くなりました(すみません!)

新刊『遺跡発掘師は笑わない 君の街の宝物』(角川文庫)
発売しております。

イラストは、おなじみ、睦月ムンク先生。
今回はシリーズ初の短編集ということで、四つのお話を収録。
ご近所での発掘調査のお話、無量五歳のみぎりのお話、山城発掘の怪談話、萌絵と忍のコーディネーター試験のお話。
詰め合わせになりました。
いつものような遺物絡みの物騒な事件は起きない(人も死なない)ので
安心して読んでもらえるかと。
気軽に手にとってもらえると嬉しいです。

身近なところに埋もれている遺物や、身の回りの文化財や言い伝えなどを題材にしてみようと思いまして……。
今回のタイトルは以前、陸前高田市立博物館の熊谷先生とやりとりをしていた時に、
「自分の町にある、いつも目にするお地蔵さんとか、そういうありふれたものが、かけがえのない宝だということを知って、皆さんに大切にしてほしい」
と仰っていたのが印象深く、それをテーマしたいと思いました。
……ま、ちょっと文化財そのものからは話が離れてしまったかもですが……。
形にできてよかったです。

カメケンの日常なども描けて楽しかったです。
無量と忍と萌絵がいつも以上に元気です。
所長たち年長組も出てきます。
楽しんでもらえると嬉しいです。

謹賀新年。2018

  • 2018/01/02 20:40

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明けましておめでとうございます。
あっというまに2018年が明けてしまいましたね。
今年も家族といっしょに箱根で過ごしておりました。
お天気に恵まれ、青空の広がる穏やかなお正月でした。

去年末にミラージュが無事に環結を迎えまして、
身も心ものんびりしたお正月になるかな、と思ったのですが、
分厚いゲラの著者校正を抱えているため、すぐに仕事始めとなりました。
そちらが終わったところで、やっと休養がとれるかと。

今年はおそらく「遺跡発掘師」シリーズの続編を手がけつつ、
新作の準備と執筆をする一年になりそうです。
いくつか挑戦してみたい題材はあるのですが、
いまの自分の関心と技量でどのようなものを書くか。
題材との出会い、物語との出会い、テーマとの出会い。
そういうものを求めていく年になりそうです。

あまり近視眼的にならず、
じっくり向き合ってみようと思っています。
〆切に追われている時にはかなわなかったことも多々有ると思うので、
自分を取り巻く世界のことを考えて、感じて、
自分がいま何を一番書きたいと思うのか。
何から卒業して、何を目指すのか。
かねてから考えていたことを実行に移す年になるかと。
そのためにも健康に留意して、体力をつけていきたいと思います。

というわけで、今後の予定ですが、今年一発目の文庫は、

1月25日 『遺跡発掘師は笑わない 君の街の宝物』(角川文庫)

です。無量初の短編集になります。
壮大な歴史ロマンはちょっぴりお休みして、今回は身近な文化財のお話です。
肩の力を抜いたやりとりがみられるかと。よろしくお願いします。

さてお正月恒例ということで、コメント欄をあけておきますので、
よければ、メッセージや感想などなど書き込んでくださると、私が喜びます。
(非公開設定もできます)
ミラージュ環結によせての想いなどもぜひ!お待ちしております。
本年も桑原作品をよろしくお願いいたします。

※コメント欄は閉めさせてもらいました。
 たくさんの熱いメッセージ、ありがとうございました!(1/11)

2017年をふりかえって その2

  • 2017/12/30 22:53

(続き)

そして今年は作品関連のトークイベントと舞台化が。

7月に行われた明正堂アトレ上野店さん主催のトークイベント&サイン会は、無量の元寇編を語るというものでした。
名物書店員・増山さんの冴え渡る仕切りのもと、楽しくお話させてもらいました。
アットホームな雰囲気に包まれ、とても温かいお時間でしたね。
明正堂様には本当にいつも素敵なフェアやイベントを、ありがとうございます!
今年も増山さんの熱さに刺激を受け、ますます頑張らねば、と思いました。
増山さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました!

10月には舞台「炎の蜃気楼 昭和編 紅蓮坂ブルース」シアター1010で上演されました。
メインキャストが何名か交代し、続投キャストの皆さんとともに更なる熱い舞台を生み出してくださいました。今回は本当にきつい登り坂でしたが、スタッフとキャストの皆さんの団結と志によって、素晴らしい舞台に。
よくぞここまでたどり着けた、と初日の舞台を観ながら胸が熱くなってしまいました。
二年前のミラージュ25周年のお誕生イベントの後、「今日が私の人生のピークかも」といった私に辻プロデューサーがかけてくれた言葉「まだまだこんなもんじゃありません。これからです」という言葉がすごく響いてきて、毎回毎回超えてくる舞台に、背中を押してもらいました。
最後まで熱を落とさず書き続けられたのは、伴走してくれた舞台のおかげです。
ありがとう。

今年一年も、とても濃密でした。読んでくださった皆さんのおかげです。
ありがとうございます。
この年末にミラージュシリーズという大仕事を終え、少し休養などもとりながら、
今後の方向性などをじっくり考える時間ももちつつ、様々なことを吸収することも忘れず、しっかりと仕事をしていきたいと思います。
皆さんの心に残る小説を書くことが、私の仕事です。
がんばります。

2017年もおつきあいいただき、ありがとうございました。
2018年も桑原作品をよろしくお願いいたします。

2017年をふりかえって その1

  • 2017/12/30 22:16

そのようなわけで、今年もあと一日。
ざっとになりますが、一年を振り返っておこうと思います。
今年刊行されたのは、

5月 『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海』(角川文庫)
7月 『遺跡発掘師は笑わない 元寇船の紡ぐ夢』(角川文庫)
8月 『炎の蜃気楼 昭和編 涅槃月ブルース』(集英社コバルト文庫)
9月 『アベル ~サタンに造られし魂~』(リブレ)
12月 『炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース』(集英社コバルト文庫)

以上5冊でした。
ほぼ去年と同じくミラージュと遺跡発掘師の2シリーズの新作と、リブレさんから一本。

遺跡発掘師シリーズは、北九州・元寇編。
水中発掘という題材は、非常に興味深いものでした。
(松浦市教育委員会の内野様、ご協力ありがとうございました)
大陸との玄関口である北九州の歴史はエキサイティング。鷹島や唐津、福岡にも何度か足を運びました。歴史+海洋冒険小説的な色合いも出せたのではないかと。
手応えのある前後編でした。

「アベル」は第一話を書いたのが3、4年前でしたが、担当さんと「臆面も無く我々世代の中二感全開でいきましょう!」という目標のもと、執筆した作品でした。往年の怪奇ファンタジーの味わいを描くのが楽しかったです。

ミラージュ昭和編。はついにクライマックス。
阿蘇に舞台を移してからは書くのも苦行なエピソードの連続でしたが、執筆メンタルも鍛えられましたし、このエピソードだったからこそ、最後まで緊張感を保ち続けることができたのではないかと思います。
今年一番の大きな目標は、ミラージュを環結させること、でしたので、いま読者の皆さんからの反応を受けて、私自身も大きな仕事をやり終えたという気持ちでいっぱいです。
ここにたどり着けたことで、過去編を書いて本当によかった、と心から思えました。
そしてミラージュは本編の40巻で終わらないでよかった。
この昭和編の最終巻が、ゴールでよかった、と。
スタートがゴールであったことが、きっといちばんよい形だったのだと思います。

新刊帯についてる小冊子のプレゼント、ぜひ応募してください。そこでもう少し語れるかなと思います。

そして、メディアミックスでは、

2月 『遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠1』作画 睦月ムンク先生
    (ビーズログ・コミック)

が発売されました。睦月先生の手によって描かれるコミック版無量!
ついにコミックスにまとまり、感無量!
丁寧な作画とわかりやすいビジュアルで、無量の世界が一気に広がりました。
連載はその後も着々と進み、来年には2巻も発売できるかと。
楽しみです。よろしくお願いします! 

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