Diary

大変お世話になりました。2018

  • 2018/12/31 20:55

大晦日の今の今まで原稿を書いて、やっと書き上がり、
ついさっき担当さんに送信したところです。
ここにきてぎりぎりまで仕事をしたので
振り返りブログもまともに書けなくてすみません。

とはいえ、この一年は実は小説はあまり書いておらず、
小冊子の短編と
無量の諏訪編一本をずっと執筆しておりました。
書き上がってみると、結構な枚数になっていてどうりで書き終わらないわけだと。
久しぶりに厚めの一冊完結になりました。
縄文時代は手強かった! 楽しみにしていてください。

1月24日発売 『遺跡発掘師は笑わない 縄文のニケ』(角川文庫)
                          装画 睦月ムンク先生

というわけで今年は二月に出た文庫版カサンドラ以来、
小説の書籍は出ておらず、
(睦月先生作画の「遺跡発掘師は笑わない」コミックスは出ました)
新作の発表もない珍しい一年となりました。

その分、舞台のもろもろがございましたね。
今年はミラージュ環結イヤーということで大変盛り上がりました。
舞台「散華行ブルース」はもちろん、上越撮影ツアーやトークイベントなどもあり、
小説の発表がないにもかかわらず
なんだかずっと忙しかったような、精神的にも満タンの一年でした。
28年間続いてきたシリーズが終わるにあたって、
心のほうも色々と思うことがいっぱいあったのだと思います。
青春をかけた大長編の終わりは、作家としての一区切りでもありました。
それを十分噛みしめる時間ができたのは、ありがたいことでした。

自分がこれから進む道のこと、プライベートのこと、
いつもは〆切に追われてゆっくり考えることもありませんでしたが、
四十代も終わろうとするこのタイミングで、
半生を振り替えることができたのは大きかった。

実のところ、ミラージュが終わってバーンアウトしたのか、
もう書けなくなるんじゃないかと不安になるほど
書く気力が尽きていた時期もあったのですが、
半年かけて無量の新作をなんとか書き終えたことで、
自分はまだ書ける、とやっと確信を持つことが出来ました。
桑原水菜は大丈夫だと。

それもこれも支えてくれる人たちがいてくれたおかげです。
私を支え、励まし、根気よく一緒に歩いてくれるひとたちに、心から感謝します。
ありがとう。

これからは体のことも考えて決して無理はせず、
いまの自分にあったペースでしっかりと書いていく所存です。
(とはいえ、職業柄どうしても無理はする場面もありますが、できるだけ)
来年は、温めてきた新作にもとりかかるつもりでおりますので、
作家として、より向上できるよう。
期待してもらえる作家であり続けられるよう。
そうして書いたものでみなさんに楽しんでもらえるよう。
取り組んでいきたいと思います。

この一年もありがとうございました。
どなた様も良いお年をお迎えくださいませ。

トークイベントのアフターレポート掲載されました

  • 2018/10/25 11:58

10月ももう下旬。すっかり秋も深まってまいりましたね。
先日は母孝行かねて奈良を訪れ、短い時間ですが、
パワーをチャージしてきました。
久しぶりに大好きな聖林寺の十一面観音にもお参りできて
どこか気持ちもリセットされた気がします。
大好きな場所はいつだって力をくれる。
奈良に行けてよかった。

さて、9月2日に行われたアニメイト渋谷様でのトークイベントの
アフターレポートがアニメイトタイムズに掲載されました。

https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1538727286

来られなかった方も是非雰囲気を味わっていただければと。
そしてレポートを綴ってくださってアニメイト渋谷店様、
本当に何から何までありがとうございます!!
素敵なレポートに感謝です。
良き思い出ができました。今後ともよろしくお願いします!

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公式サイト開設14周年、御礼

  • 2018/09/25 03:08

大変ご無沙汰しております。
すっかりブログが放置状態になってしまい、申し訳ありませんでした。
ご報告が遅くなりましたが、
舞台『炎の蜃気楼昭和編 散華行ブルース』、
全公演、無事終了しました。
観に来てくださった皆さん、遠くから応援してくださった皆さん、
ありがとうございました。

私にとっては本当に、これをミラージュシリーズの締めくくりと思い、
稽古からずっと見守って、時には原作者として意見を述べさせてもらい、
一緒に舞台を作る全てのキャストスタッフの皆とともに
熱い日々を過ごすことができました。
振り返りの記事は、またあらためて…と思いますが、
舞台に関わった全ての皆さんに、
原作者として御礼申し上げます。
28年という長い長いシリーズの最後に、
こんなに素晴らしい締めくくりを迎えることが出来て、
本当に「炎の蜃気楼」という作品は幸せだと思いました。
ありがとうございました。

そして9月2日に行われたアニメイト渋谷さんでのトークショー。
こちらも来てくださった皆さんありがとうございました。
なかなか皆さんの面前でミラージュについて語るという機会もなかったので
緊張しましたが、手賀編集長とともに、短い時間ですが、
楽しくお話をすることができました。
ミラージュのオンリーショップも開催していただき、
前回の環結サイン会からずっとアニメイト渋谷様には感謝でいっぱいです。
良い機会を作っていただき、ありがとうございました。

6月末から怒濤だったのでちょっと放心しておりましたが、
その間に滞っていた原稿を進めねばならないので
集中したいと思います。

そして9月23日にはこちらの公式サイトも14周年を迎えました。
今年は少し長めのお休みをいただいておりまして
小説の発表ペースを落としておりましたので、更新も少なめになってしまってますが、
またここから再スタートを切るつもりで
こつこつと歩みを重ねていきたいと思います。
私の小説を楽しみにしていてくださる方がいる限り、
書き続けていく所存です。
自分自身の中にあるテーマ、題材、問題意識、そういうものは、
おそらく書き続ける中で見つけていくものなのだと思います。
そうなのだとこの半年ほどで気づきました。
書き続けるということは、簡単なことではないけれど、
私が生み出せるものは形無き「言葉」ですから
その「言葉」で、皆さんの暮らしの中に
その心に、ささやかな糧を残せる物語を
紡いでいけたら、と思っております。
私もひとりの人間として生きているので、
書くものにはその年齢なりの私の人生観が反映されます。
書く作品も今までと同じではないかもしれません。
だからこそ今しか書けないものに価値があるのだと。
そう信じて、いま目の前にある原稿と向き合っていきます。

これからの自分からどんな作品が生み出されていくか、
私自身が一番興味があるのかもしれません。
一緒に見守ってもらえれば嬉しいです。
楽しみにしていてください。

これからも桑原水菜作品を
よろしくお願いいたします。

復活ミラージュ紀行

  • 2018/07/12 19:33

昨日は上野の東京国立博物館で「縄文展」見てきました。
選りすぐりの土偶たちが集結。
あらためて縄文時代の面白さ、ユニークさを楽しんできました。

さて明日からwebマガジンコバルトにて
「復活ミラージュ紀行 いま再びの上越編」を週一回
連載いたします!

webらしいフォトエッセイになる予定。
先日、舞台ミラージュの新潟ロケに行ったときに仕入れてきた題材で
久しぶりにミラージュ紀行を書くことになりました。
これが私からのおみやげということで!

楽しんでもらえると嬉しいです。
舞台初日まで毎週金曜日更新予定。

webマガジンコバルト
http://cobalt.shueisha.co.jp/

お楽しみに!

舞台『散華行ブルース』一般発売開始

  • 2018/07/07 22:23

20180709234400.jpg

※こちらは3月のリリースイベントにて浜田翔子先生が撮って下さった写真です。

 

8月11日から上演されます舞台『炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース』のチケット、一般発売が開始されました。
舞台ミラージュの集大成にして、原作含む「炎の蜃気楼」シリーズのしめくくりとして、熱い舞台になるのではないかと思います。
脚本には私も手を入れさせてもらい魂をこめておきました。
舞台も5年目。おそらく全作品中、最も見応えのある舞台になるのでは、と
私も今から楽しみにしているところです。

この物語に想いを寄せてくれた皆さんの心に残る舞台になると思います。
ぜひ劇場にいらしてくださいね。お待ちしております。

平日の夜はまだまだご用意できるようですので、いらしてください。
(お盆休みで帰省される方もいるかと思いますが、ぜひ新宿に足を運んでいただけると。劇場はバスタ新宿からも近いですよ)

詳しくは舞台「炎の蜃気楼 昭和編」公式サイトのほうで。
http://trifle-stage.com/mirage2018/

よろしくお願いします。

 

舞台『炎の蜃気楼 昭和編』新潟ロケに行きました。その2

  • 2018/06/28 12:16

→ミラージュは「死後の生」を描いたもので、登場人物は皆「実在した方々」から「プロフィールをお借りして」描いた作品でしかないことを胸に留め、
その原点である方々への敬意を忘れず謙虚に、という気持ちで書いてきましたが、
それでもこうして地元の皆さんにあたたかく迎えていただけて、言葉をかけてもらえることは、本当にありがたいことでした。
これも読者のみなさんがたくさん訪れてくれたおかげです。
その交流の積み重ねが、いまこうして、私たちを温かく迎えてくださる気持ちにつながっているのだろうと、心から実感しました。
感謝しかありません。

私個人としては、上越を訪れたのは2014年のバスツアー以来でした。
そのときは大雪の直後で、お城にはあがれなかったのですが、今回それが叶い、
しかもその場所に夜叉衆全員が揃っている光景が、まるで夢のようで……。
「あの春日山城に夜叉衆全員が!!」
撮影中は大忙しで、じっくり浸る余裕はなかったけど、それでも
人生長く生きてるとこんなことも起こるんだ、と。
私はキャストのみなさんに勝手に思い入れと思い込みを重ねるばかりですが、
「夜叉衆が帰ってきた……帰ってきた……」
ひとり感極まっておりました。
本編の終わりのほうで「この戦いが終わったら越後に帰ろう」といった景虎が、
私が執筆という戦いを終えた後に本当に「帰ってきている」のが、
しかも夜叉衆全員で「帰ってきた」のが、
(もちろん外見は昭和編なのだけど、その魂が、という意味で)
夢をみているような気分でした。

ミラージュは本当に幸福な作品だな、と。
そして私は世界一幸福な作家だな、と。
またしても噛みしめてしまいました。

鮫ヶ尾城に景虎が立っている姿にも。
そのそばに直江と夜叉衆がいることも。
さらには織田のみんなや美奈子や高坂までいることも。

俳優の皆さんは、私が書いてきた登場人物を体現してくださって、
その体でここに立ってくれている。
小説の中では景虎たちが換生後に鮫ヶ尾城や春日山城を訪れる場面はないのだけど、
だからこそ余計に、この物語のひとつの象徴のようにも思え。
少し離れたところからみんなのわいわいを眺めて、
しみじみと喜びを噛みしめていました。
そしてこの光景を実現できたのは、辻プロデューサーはじめ全スタッフのみなさん、のご尽力の賜物。実現する力のすばらしさ。
辻さん、ありがとう。

私の思い入れはもちろん私ひとりのもので、舞台の皆さんにはともすれば、重くて迷惑だったりするかもしれないので、口にはしないけど、
私の中にあったいろんなものが、美しい景色の中で、天にあがっていくような心地でした。
でもまだ続いている。まだ終わりじゃない。
この頂きで感じたものを、もう一度、今度は舞台で。
ここからがまた最後の険しい道ですが、
しっかり歩いて行けるのではないかと思いました。

ロケ中は新担当tさんがずっと付き添ってもろもろフォローしてくれました。
前担当iさんも新幹線日帰りで駆けつけてくれて。
長いつきあいのtさんと昭和編担当iさんに、
春日山城に揃う夜叉衆をみてもらえたことが嬉しく。
「最後まで見届けたいですから!」
といったiさんの心意気、がっつり受け止めましたよ。
舞台のきっかけを作った恩人ですしね。

翌日、私は鮫ヶ尾城がある妙高市をめぐってきました。
その成果はいずれ何かの形になると思うので
(あ、ミラージュの小説ではないです)
楽しみにしていてください。


皆さん、本当にお疲れ様でした。
ありがとうございました。

※ロケの様子はTwitterのミラステ公式アカウントでご覧になれます。
 ぜひ見てみてください。@mirage_stage

 

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