Diary

2026年06月の日記

舞台「炎の蜃気楼」トークイベント&幕末編上演決定

  • 2026/06/03 21:26

白百合女子大学のシンポジウムも無事終わり、5月のトークイベント三本立て、無事やり遂げました。ご来場の皆様ありがとうございました。

さて、5月24日に行われた舞台『炎の蜃気楼』振り返りトークイベントを振り返りたいと思います。
(昼の部と夜の部では構成が変わりましたが、まずは昼の部で)

開演冒頭、景虎役の富田翔さんが登場して、Blu-rayBOXのブックレットに掲載した「ブルースを聴きながら」という詩をひとり朗読。これは「せっかく加瀬の衣装と風貌で出るのだから」と私のほうからお願いしました。だって皆さん、舞台に立つ「加瀬さん」もう一度観たいですよね!? と思ったので。(私は裏にいたので観れてないのですが)
振り返りトークコーナーでは、晴家役の佃井皆美さんと勝長役の笠原紳司さんと私も加わり、四人でミラステを振り返りました。散華行からすでに8年経ちますが、昨日のことのように鮮やかに思い出せるのはすごいことですね。プロデューサーの林修司さん(蘭丸役)が直々にMCをしてくれたのも嬉しくて、相変わらずの面白すぎるお話に、私は舞台にいながらずっとお腹抱えて笑ってました。
そして後半は、書き下ろしのミニ朗読劇。タイトルは「灯台は消えず」
ずっと温めてきた「昭和編の後日談」。
色部さんが米沢の上杉家御廟所を訪れて、レガーロの思い出を回想しながら夜叉衆への思いを吐露する、というものでした。
さすが全5作を務め上げた方々。劇場にはあっというまにあのミラステの空気がよみがえりました。終盤は「過去の台詞のパッチワーク」として、「やどかりボレロ」のラストを彷彿とさせる手法で。取り上げた台詞の中には小説の中のものもあったりしたのですが、パッチワークしてみると、それらの言葉がまた別の意味を伴って聞こえてきたのが面白く。
富田さんの加瀬はレガーロにいた頃のまだ軽口もたたけた頃の穏やかさがあって懐かしかったし、佃井さんのマリーはより艶っぽくなってて素敵だったし、笠原さんの色部さんは内に秘めた激情が力強く、かつ切なく、胸に迫るものがありました。
富田さんがじきじきに演出してくれたので、ミラステの「あの時」の「あの音楽」をつけてくれたのがさすがでした。
私も会場で初めて聴いたんですが、お三方の見事に息の合った表現力・具現力・体現力に圧倒されました。
この朗読劇は「皆さんへの感謝のしるし」として書かせてもらったのですが、書いてよかったと心から思いました。

そして最後に発表された舞台「炎の蜃気楼 幕末編」
ようやく発表できました。
映像を見ていた客席の皆さんの反応が、五段階くらいであがっていき、最後に悲鳴とも歓声ともつかぬ声に変わったのが、最高でした。
すごく喜んでいただけてホッとしました。
トライフルが倒れてBlu-rayBOXの件で皆さんに大変ご心配をおかけして。このままあのミラステがしぼむように終わってしまうのは忍びない。ネガティブな気持ちで終わりたくない、もう一度新たなミラステに挑戦を! と願ってくれた富田さんとその願いに共鳴してくれたピウスの林さん、StageEraの髙橋さんらの共同プロデュースにて実現する運びとなりました。
「願う」という力は、やはり全ての原動力なのだなと感じ入りました。
(そういえば、朗読劇のテーマも「願い」でした)

発表とともに私自身もようやく実感がわきました。
これは新しい船です。
昭和編5作は私の中で殿堂入りして、その思い出は不滅のものとなりました。

これはミラステ5作の魂を宿す「新しい船」の出航です。
脚本にはほさかようさん、演出には田邊俊喜さんという、ひとり芝居「憑」でタッグを組んだ強力すぎる布陣。私は大船に乗った気持ちで作品をお預けできます。
恐らくその航海は今までがそうであったように、様々なことが待ち受けているでしょう。皆で力を合わせて突き進んでいきたいと思います。
ぜひ皆さんにもこの船に乗り込んでいただけたら嬉しいです。
2027年1月。劇場でお待ちしております。

また新グッズはイーストパークさんが受け持ってくださいました。イーストパークさんにはBlu-rayBOXの件で大きな負担をおかけしていることもあり、グッズ販売で少しでも利益をあげていただけたら、と思っていましたが、劇場販売したBlu-rayBOXは無事完売。他のグッズもたくさん買ってもらえたようで、よかったです。

昼の部には、昭和編で直江役を演じてくださった平牧仁さんも観に来てくれて、すごく嬉しかった!
平牧さんはデビュー二ヶ月でいま大旋風を巻き起こしている「モナキ」の一員として多忙を極めておられるにもかかわらず、足を運んでもらえてすごく嬉しかったし、景虎と…夜叉衆と一緒にいる姿に胸が熱くなりました。
ミラージュを大切に思っておられる気持ちも伝えてくれて、心から感謝でした。紅蓮坂も散華行も、仁さんの演技は本当に素晴らしかったから。
モナキずっと応援してますよ!

コバルト編集部の歴代ミラージュ担当さんたちや友人たちも駆けつけてくれて、たくさんの方の尽力で実現したイベントでした。
この結束力をもって1月の上演に挑みます。
皆さんぜひ楽しみに待っていてくださいね。

白百合女子大学のコバルト50年シンポジウム

  • 2026/06/14 01:33

まずは新刊のお知らせです。
7月24日発売
『遺跡発掘師は笑わない 隼人の金冠』角川文庫
(装画 睦月ムンク先生)

次の舞台は鹿児島県!
よろしくお願いします!

5月30日に行われた白百合女子大学のシンポジウム「コバルト文庫50年と少女カルチャー」も無事終了しました。
来てくださった皆さん、ありがとうございました。
遅くなりましたが、振り返ってみたいと思います。
第一部は『マリア様がみてる』等でおなじみの今野緒雪先生と一緒に。聞き手はおなじみ嵯峨景子先生。
今野先生とはプライベートでも仲良くしていただいているので、そんな我々の交友ぶりからそれぞれの仕事についてのお話など、楽しくさせていただきました。祥子様と直江の名言バッジの話とか。缶詰著者校の話とか。お互い大変でしたよね。としみじみ当時を振り返りました。
第二部は白百合女子大の児童文化学科の先生方による講演。トミヤマユキコ先生は漫画とコバルトの相互関係ついて、山中智省先生はコバルトをはじめとする少女小説カルチャーについてそれぞれ興味深いお話が。
第三部は登壇者全員でのセッション。紙の本としてはもう出版されなくなったコバルトをどう後世に残していくかなどを語り合いました。少女小説研究の第一人者である嵯峨先生がおられたのも頼もしく。
山中先生と嵯峨先生はあの分厚い大労作「ライトノベル雑誌 少女小説雑誌 目次集成」を監修されたおふたりで、時間が許せばもっとそのお話も聞いてみたかったです。いつか、おふたりでの対談イベントなど、ぜひ企画お願いします!

このようなアカデミックな場に登壇するのは初めてで緊張しましたが、先生方やスタッフの皆さんはとても気さくで笑顔で終始朗らかな空気感(狂犬バッジもつけてくれてありがとうございました。な、なんかすみません)。四時間の長丁場でしたが、濃密で有意義な時間を過ごすことが出来ました。

コバルトが少女読者と歩んだ道のり、先輩方の偉業、出版業界の中で果たしてきた役割……。コバルトが生み出してきた特有のカルチャーともいうべきものの一端を担えたことが心から誇らしく。
また学術の世界におられる先生方がこのようにコバルトを研究対象として再評価してくださるのがありがたいです。こうして取り上げてくださること自体が、コバルトを知らない世代の方々に伝えるための大きな役割を果たしておられること、ひしひしと感じました。
そして(会場の皆さんにはお伝えしましたが)コバルトの遺産を伝えていくためには、誰よりもコバルトの面白さを知っていて愛してくださった読者の皆さんのお力添えなしには成し得ないだろうことも。
コバルトの思い出、作品のお話、雑誌や付録やイベントのこと、読み友さんとのことなどなど……、なんでもいいんです。
皆さんにとってのコバルトをぜひ折に触れて、それを知らない方々にも語り継いでいってもらえたら嬉しい。
むろん我々も力を尽くしていきます。
編集部ではコバルト作品のオレンジ文庫での復刊なども進めていますし、好評であれば、五月のコバルト展のような企画もまたありうるかもしれません。
コバルトというカルチャーがなんだったのか。
それを明らかにするのもこれからではないかと。
私は当事者で渦中のど真ん中にいたので経験は折に触れて話してきましたが、それが何だったのか、意味づけをしていく作業も、これから大事になっていくような気がします。
最後に、今回のイベントを企画してくださった山中先生。シンポジウムだけでなく様々な展示(新井素子先生の作品展や大宅壮一文庫さんの協力による雑誌Cobaltバックナンバー展示)などもあったので、さぞや準備は大変だったかと。その情熱その行動力、フットワークの軽さ、何から何まで頭が下がる思いがしました。
白百合女子大は星敬氏の旧蔵書二千数百冊に及ぶコバルト文庫の受け入れで今後コバルトだけでなく少女小説とそのカルチャーの研究拠点になっていくのではと。
どうぞ末永くよろしくお願いいたします。

 

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