Diary

2025年の日記

2025年を振り返って その1

  • 2025/12/30 15:41

早いもので2025年もあと2日となりました。
恒例の振り返りをば。

今年発売した新刊は以下の五点でした。

3月『遺跡発掘師は笑わない イクパスイの泪』角川文庫
8月『荒野は群青に染まりて 暁闇編』集英社オレンジ文庫
9月『荒野は群青に染まりて 相剋編』同 
10月『荒野は群青に染まりて -赤と青-』同
12月『遺跡発掘師は笑わない 土に埋もれた星は』角川文庫

久しぶりに新刊の多い年でした。
遺跡発掘師シリーズは北海道編と短編集。
北海道編がとにかく内容的にも精神的にも執筆カロリーの高い作品だったので、ようやく本になったときは本当にほっとしました。アイヌの歴史と向き合いながら、丁寧に書くことを心がけました。短編集は久しぶりでしたが、題材は湧いてくるモノですねぇ。無量たちとのつきあいも15年になり、題材を投げればキャラたちのほうで動いてくれるので、肩の力を抜いて書けました。
荒野は~シリーズは単行本の文庫化が二冊。番外編が一冊でした。文庫化といえども著者校正はがっつりと一から見ましたので、なかなか大変でしたけれど、戦後80年という節目に年に出せたこともよかったです。戦後復興の時代を泥臭くもリーダビリティーのあるエンタメとして、地に足を付けて書けた作品となりました。今の自分にはこのスタイルが一番合っているのだな、と再認識できましたし、思い入れも深いので、「いまの私」の代表作のひとつだと堂々と言えるものになったのではないかと思います。
三ヶ月連続刊行というスピード感は、勢いはあるのですが、書店さんからすぐに消えてしまう可能性も高く、長く読んでいただきたい作品なので、これからも自分なりに「こういう作品があります」を伝えていきたいと思います。どの作品もですが、お気に召していただけたら、ぜひ周りの方に「こんな作品があるよ」と紹介していただけたらありがたいです。

そして、「オフロサマ」という読み切り短編も書きました。
こちらもほっこりするお話でした(銭湯だけに)。いずれオレンジ文庫さんからアンソロジーという形で発売されるのではないかと思います。

「イクパスイ~」の反動のように今年は読み口軽めの短編が多かったようですね。意外に書けるようで書けないので、たくさん手がけることが出来て非常に楽しゅうございました。

本は……特に文庫本は、いつでも手元におけるエンタメで、日常の隙間時間や息抜きとして読めるのが一番いいところだと思います。
好きな時間に好きな場所で読める。ページを開くだけで非日常の世界に入り込むことができる。
皆さんの日々の楽しみとして、生活の空間にあれることが嬉しく。
これからもどうぞ手にとっていただき、手元に置いてもらって、いつでもどこでも何度でも読んでもらえたら、それが小説家にとって一番幸せなことだと思っています。
新刊既刊問わず、この一年も桑原作品を読んでいただき、ありがとうございました。(→続きます)

2025年を振り返って その2

  • 2025/12/30 16:17

(→続き)
また、今年はトークショーなどのイベントに登壇する機会が三度もあり。
一回目はよみうりカルチャーさんでの新井素子先生とのトークショー。その流れでなんとミラージュ35周年イベントまで開催されることになり、我ことながらびっくりしました。でもその結果、久しぶりに読者の皆さんと直接お目にかかれて声を聴き、皆さんのミラージュへの思いを受け取ることができました。
また富田翔さんの一人芝居でも原案担当として千秋楽アフトに顔を出させていただき、舞台にたずさわる喜びを再認識することができたと思います。舞台「炎の蜃気楼 昭和編」シリーズが結んでくれたご縁でした。

昨年そのミラージュの舞台の制作会社が倒れるという思ってもみない事態にみまわれ、Blu-ray BOX購入者の皆さんには大変なご心配とご心労をおかけしてしまいましたが、関係各位の尽力により、どうにか制作を続け、お手元に届けることができました。
つとめを果たせて安堵もしましたが、関係者の皆の中に、このままで終わってしまってはいけない、という気持ちも残りました。それを形にするために何ができるか。
またそれ以外のところでもコバルト50周年の節目ということで、もしかしたら、来年もどこかで皆さんとお目にかかれる機会があるかもしれません。
水面下では色々動いておりますので、発表をお待ちくださいませ。

そのようなわけで、個人的にこの一年ははじめのほうはだいぶ精神的なタフさを求められましたが、果たさねばならないことを果たした後は、徐々に執筆も楽しめるようになり、引きこもりがちだった私が不思議と外へ外へと出て行くようになった感じがしました。

原稿が最優先ですので、じっくりこもるときはこもりつつ、時々陽の光のもとに出て。
今しかないこの瞬間、今の自分が表現したい物語を見つめて、それらを形にしていくことに全力投球していきたいと思います。

皆さんの応援や発信が力となっています。ほんとうに。
その力に背中を押され、物事が実現するさまを目の当たりにし、
読者の皆さんの応援の力というものを心から実感する一年でした。
ありがとうございます。
皆さんの気持ちを無駄にはせぬよう、力を尽くす所存です。

そしてこの一年お世話になった全ての方々に、心より感謝を。

2025年も本当にありがとうございました。
2026年もどうぞ桑原作品をよろしくお願いいたします。

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