『ほうらいの海翡翠』その2
- 2011/12/29 16:35
さて発売中の新刊ですが、今回は単行本ということで、恒例のあとがきがありません。
ので、ご紹介を兼ねてネタバレにならない程度に雑談などしてみたいと思います。
(まっさらな状態で読みたいという方は、こちらで引きかえしてください)
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主人公は、西原無量(さいばらむりょう)という若者で遺跡発掘員。というのは、前回書きました。
構想の段階で「何か特殊技能を持つ男子が主人公」というのと「ちょっと変わった事務所モノ」という二つの柱がありまして。私の守備範囲(歴史関係)なども鑑みつつ、遺跡発掘関係などどうかな、と。
そんなわけで「遺跡発掘員の男子と発掘員の派遣事務所の皆さん」が登場する話となりました。
主人公を中心に話は展開しますが、スーパーヒーロー的な描き方にはあまりしたくなかったので、ヒロインの萌絵や亀石所長を初めとする所員の群像劇のような形を目指してみました。
帯などのあおりでは、どうしてもこう分かり易いので、無量に「天才」という冠がついてますが、あまりそこは意識せずに普通の男子として描いております。(むしろそうでない部分に力を入れて…と思ってました)
プロットを二年くらい前に提出してから、今年に入ってやっと着手できましたが、書き始めてから出るまで丸一年。
夏ぐらいには脱稿していたんですが、単行本は進行がじっくりなので(校閲もみっちり入ります)年末発売に。おかげで発売日が作品内の季節感ともぴったり合ったので、よかったです。
ただ歴史関係はどうしても敷居が高いと感じられる方もおられるので、そこを踏まえ、読みやすさには気を配ったつもりですので、あまり構えずに手にとっていただけるとありがたいです。
意外にアラフォー組(亀石所長、鶴谷さん、美鈴さん)がウケよくて、嬉しいです。
今回は「忍・登場編」でもありましたので、もし続編が書ければ、無量とおじいさんの関係など、内面も掘り下げてみたいです。