Diary

お悔やみ申し上げます

  • 2008/06/07 03:20

私たちコバルト作家の大先輩・氷室冴子先生が亡くなりました。

……ここまで書いて、続く言葉を見つけることができず…。


私にとって氷室先生は誇るべき大先輩であり、目標であり、そして「優しい姉貴」でありました。
ある劇団の稽古場に一緒にお邪魔させていただいたことを思い出します。そのとき氷室先生がたくさんの手作り(!)の稲荷寿司を差し入れに持ってきていたのを見て「なんて気さくで、心配りのある方なんだろう!」「あの氷室先生が手作り稲荷寿司!」と、とても驚かされたことを覚えています。
後輩である私をとても気遣ってくださって、電車で隣に腰掛けて奈良の話をしてくださったときの氷室先生の目は、とてもキラキラしていて少女のようでした。混んでいる電車の中で、あの氷室先生を独り占めして奈良のお話ができたことが嬉しく、いまも私の中では特別な思い出として刻み込まれています。

まさかこんなに早くお別れの時が来るとは思ってもみませんでした。
奇しくも昨日はロマン大賞の選考会の日で、私は選考会の席で訃報に触れたのですが、この無念はなんと言葉にしていいのか……。

氷室先生。
まだこうしていても言葉をまとめることができず、自分が情けない限りですが、氷室先生から受け継いだものを、後から続く人たちに確かに伝えていくことを約束します。どうか見守っていてください。
できることならば、もう一度、一緒にお芝居や奈良のお話をしたかった。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

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