Diary

2012年の日記

師走も後半ですね。

  • 2012/12/18 21:00

年内〆切の原稿が一段落しましたので、こちらの更新に来ました。
ちょっと先になりますが、リブレ出版の小説be-BOY3月号(2月14日発売)にて読み切りを書かせていただきます…というか、書かせていただきました。まだタイトルなどは次号予告に載っていませんので、また近くなりましたら改めてお知らせしますね。イラストは石田要先生です!(ラフを拝見しましたが、すでに胸がどきどきしました…。カラー扉もあるそうですのでとても楽しみです)
まだ少し先ですが、どうぞお楽しみに。
(ちなみに雑誌の特集名は…実は予告を見て知りました。私の作品はちょっとテーマからズレ気味です…;;)

それからアヴァルス発売しています。イルゲネス掲載しています。こちらもいよいよクライマックス近しです!是非チェックお願いします。

さてクリスマスも近いということで、今年最後の新刊は無量の続編になります。媒体によって発売日の表記が違いますが、大体クリスマス後あたりには店頭に並ぶかと。
『出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル』(角川書店)です。
よろしくお願いします。
今年もあと二週間余り。忘年会やらクリスマスやら賑やかですが、風邪など引かぬように、皆様元気にお過ごしくださいね。

『出雲王のみささぎ』発売。

  • 2012/12/26 20:44

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新刊『出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル』(角川書店)発売しました。

遺物発掘師(レリック・ディガー)西原無量22歳が主人公です。
今回の派遣先は、島根県出雲市。遺跡の地権者は、謎の多い旧家・降矢家と八頭家。禁断の地での発掘に、祟りを恐れる声が高まる中、無量は受け持った現場で不気味な「青銅製の髑髏」を発見してしまいます。が、そこはかつて進駐軍が秘密裏に発掘を行って死者を出した場所でもあり……。

というわけで、無量、帰ってきました。
そして帰国早々、事件に巻き込まれています。
萌絵には新たな目標ができ、ついでにライバルまでできてしまいます。そのライバルが誰かは読んでのお楽しみ、ということで。

装画は睦月ムンク先生です。今回は話の季節が季節なので、無量も薄着になりました。背景は出雲大社です。古代のロマンをかきたてる、とてもきれいな色合いです(うちの写メではうまくお伝えできませんが)。是非、実物をお手にとってみてください。睦月先生、お忙しい中、今回もありがとうございました。裏表紙には萌絵とあのひとがいます。オビの下にはハトもいます。

このシリーズは謎解きものでもありますが、様々な時代が点と線になって繋がっていく様と、遺跡や遺物を巡る人間模様に注目していただけると幸いです。
今回は総ページ数384pと読み応えもたっぷりです(お値段は据え置きです)。
年末年始やお正月のおともに是非どうぞ。
よろしくお願いします。

あとがき代わりに、またちょこちょこと、ここで語りますね。

あとがきのかわりに。

  • 2012/12/29 22:38

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(新刊『出雲王のみささぎ』話の続きです)
そして新刊の裏表紙は…このような顔ぶれでした。
忍といえば、なぜか読者の方も「ちゃん」付けで呼ぶ方が多くて面白いなあと思いました。
(睦月先生のイラストはとても繊細な色合いで、私の写メではなかなか雰囲気が伝わらず、すみません…)

そもそも出雲を舞台にしようと思い立ったのは、実は今年の初詣で大國魂神社にお詣りしたことでした。大国主命はもともと「出雲の神様」です。「そういえば奈良の大神神社も出雲の神様だったなあ…」と思ったのがきっかけでした。(このあたりは本文で無量が述懐していますが)

四隅突出型墳丘墓がある出雲弥生の森博物館では、出土品の整理と実測の作業を見学させていただけました。飛び込みでの急なお願いだったにもかかわらず、快く応じてくださった職員の皆さん、ありがとうございました。貴重なお話を伺えたうえに、マスコットキャラクター「よすみちゃん」のおみやげまで…感涙でした。
玉造温泉にある出雲玉造資料館でも、参考になるお話を伺えたうえに、おみやげにいただいた青めのうの原石が、執筆する上で大変役に立ちました。「掘り足らずは一生の…」は実は館長さんのお言葉でした。こういうのは、やはり現場の方からしか出てこない生きた言葉だなと思います。
その他いろいろな方々から伺ったお話の積み重ねで、今回のお話はできあがったような気がします。出雲で出会った皆さんは、本当に親切なうえに気さくでおられました。感謝しております。
何度も通ううちに、その土地が扉を開いてくれるような、そんな
感じがしました。
出雲には是非またゆっくり(今度は仕事抜きで)訪れたいです。

2012を振り返って。その1

  • 2012/12/31 01:43

2012年も残すところ、あと一日。
明日はもうお正月なんですね。実感がなくて驚きます。
年内に一年を振り返っておかねば、と思い、今年最後の更新です。
おかげさまでこの一年も健康で仕事ができました。
新刊も六点出せまして、今年はちょっと多いほうだったかなと思います。その分作業が重なったりして、ちょっと大変な時期もありましたが、おおむね予定通りスケジュールをこなせたのではないかと思います。
それでは、一点ずつ振り返ってみます。

■『プラネット・サファリ 百獣王の双子』2012.3/三笠書房f-Clan文庫
 獣人が主人公のSF風味な作品でした。無国籍な雰囲気や格闘シーンがふんだんで、久しぶりに心から楽しみつつ書けました。というか、大型猫科肉食獣が好きなので。
 主人公のブルーが私の作品にしてはなかなかチャーミングなキャラになったなあ、と思っています。レオンの「飼われライオン」で「王者の屈辱」な部分は書き甲斐がありました。ガチで好みなタイプです。捕食シーンも、もっと書きたかった。
 発売してすぐにレーベルが終了してしまったので、とても残念です。続きがどこかで書けるといいのですが…。

■『炎の蜃気楼邂逅編 真皓き残響 神隠地帯』2012.3/集英社コバルト文庫
 クライマックス前編でした。気がつくと15年ですか。私の中で邂逅編は、一度区切りがついていたので、再開にあたりモチベーションの保ち方に悩んだ時期もあったのですが、なんとかゴールが見えてきた感じでした。

■『黒薔薇ミズナのBL講座』2012.8/リブレ出版
 これはもう…なんというか、とにかく笑って読んでいただければ、と思いつつ。というか、これ本にして出していいのか、と頭を抱えたりもしましたが、結果的に面白がって読んでくださる方がたくさんおられましたので、今は出してよかったと思ってます。
 もともとBL系のアンソロジーコミックのカバー下で連載していたもので、そのコミックを手に取る読者さんを想定して書いたエッセイですので、いきなり読むと面食らうというか、ちょっと謎なノリだったと思いますが、最近こういうはっちゃけた軽いものは、あんまり書いてなかったので「初心に戻れた」(笑)感じです。
 いやあ、人から笑われるって大事ですね! 

(ちょっと長くなったので続きます)

2012を振り返って。その2

  • 2012/12/31 02:07

(続きです)

■『箱根たんでむ 駕籠かきゼンワビ疾駆帖』 2012.9/集英社文庫
 江戸時代の箱根が舞台の時代物でした。時代物というと、なかなか敷居が高いというか、読み慣れた方でないと入りずらいと感じられる方もおられるかと思いますが、普段読み慣れない方にも構えずに読んでもらえるものを、と短編連作という形にしました(実際、読みやすく仕上がっていると思います)。
 十代の頃に読んだ史村翔先生&新谷かおる先生の『ファントム無頼』という複座式戦闘機のバディものが大好きで、そういう感じを時代物でやってみたい、という思いがありました。あんなにかっこよくはないですが。
 ゼンワビのわいわいとした日常は、書いていて楽しかったです。

■『炎の蜃気楼邂逅編 真皓き残響 蘭陵魔王』 2012.11/集英社コバルト文庫
 景虎の二度目の換生という大きな節目を迎えまして、クライマックス後編でした。もともと邂逅編を書くとしたら、ここまでと決めてあったので、無事ゴールにたどり着けてよかったです。
 邂逅編もあと一冊になりますが、よければ最後までおつきあいくざい。

■『出雲王のみささぎ 西原無量のレリック・ファイル』 2012.12/角川書店
 先日出たばかりですが、今回はややミステリー要素が高めです。
 単純に犯人探しのようなものではなく、考古学に携わるひとたちの人間模様が書ければいいなあ、と思っていたので、今回はよりその部分を描き入れることができたのではないかと思います。
 どうしても専門的なところを描くと敷居が高くなりがちな題材なので(ひとつひとつの要素の背景が深いので)その分、会話おおめで読みやすく…など、匙加減には毎回苦労しています。
 既刊を未読の方も、こちらから読めるような仕様になってますので、構えることなく是非。
 ちなみに無量は、来年、某所で連載が始まる予定です。
 そちらもよろしくお願いします。

そして、こちらは漫画原作のほうになりますが、
■『イルゲネス 偽翼の交響曲』 マッグガーデン
 ただいま連載中ですが、今回の話は、原作に登場しない新キャラたちとフォンの関係が柱になります。彼らとのやりとりの中で、フォンは自分に科せられた宿命をつきつけられていきます。後出者システムは大きな縦糸でもあるので、そこをドラマティックに描ければと思います。カチル先生、頑張って!

以上です。
私事になりますが、三年前に父が亡くなった後、しばらく気力的に底をついた感じになってしまい、モチベーションを保つのがきつかった時期があったのですが、ここ一、二年で少しずつ持ち直してきた感じです。
来年も地に足をつけて、できればじっくりと、執筆に取り組んでいきたいと思っています。
20年続けても小説はやはり難しいですし、万人に受け入れてもらえるようなものを書くのは更に困難と感じています。たくさんの人に読んでもらうことは商業小説家の命題ですが、これは私にしか書けないと思うものを見つけるのは、それ以上に大きな命題です。
そのためにもしっかりと土台をつくって、そういうものを描けるよう、自分を磨いていこうと思います。
今年もおつきあいいただいた皆さん、ありがとうございました。
来年もまた、書店さんでお会いできれば嬉しいです。
よいお年をお迎えください。

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