2014年を振り返って その1
- 2014/12/31 01:36
早いもので今年もあと残すところ今日一日となりました。
今年は年の瀬ぎりぎりまで公私ともにバタバタしてしまいまして……。
駆け足気味にはなりますが、2014年を振り返ってみたいと思います。
■『炎の蜃気楼 昭和編』シリーズ
今年は「昭和編に始まり、昭和編に終わる」という一年でした。
「炎の蜃気楼」シリーズ、去年末に邂逅編が終了し、最後のシリーズとしまして「昭和編」が新たに始まったわけですが、
おかげさまで好評をいただきまして、四巻まで出すことができました。
景虎が年上で、直江が年下という、本編とは逆転した立ち位置にしたことで、ふたりの今までにない一面や関係性が書けたのが新鮮でした。
(まあ、年下直江自体は、幕末編でもやってますが)
また昭和三十年代が舞台ということで、当時の世相を絡めた事件・風俗を描くのも自分自身、腕が鳴りました。難しいですけれども、そういう土台をきっちり作った上で、物語を展開させることで、より彼らの生きた世界というものを浮かび上がらせられるのではないかと思いました。
脇キャラを単なる脇キャラにせず、厚みをもって描くことも目標でした。
ミラージュは元々、群像劇としての切り口もできる物語ですから、そこはしっかり描きたいところでもあります。
4巻からいよいよ、織田との戦いも本格化し、景虎・直江・美奈子の関係も動いていきます。ますます加速しながら、掘削する……そんな展開になるよう、がんばります。
■『弥次喜多化かし道中』
今年は唯一、昭和編以外で出た新作でした。
時代物は『箱根たんでむ』以来でしたが、今回は主人公は人外で、旅ものです。
『箱根たんでむ』は駕籠かきで、旅のお手伝いをするほうでしたが、今度は旅をするほうです。できるだけ肩の力が入らずに読める作品、を目指して書きました。
初めて私の地元「多摩」を舞台にした作品でもあります。
多摩のたぬきというと『平成たぬき合戦ぽんぽこ』が思い浮かぶと思いますが、実際、まだいるようです。きつねも。谷保のあたりにいるようです。
私事になりますが、私の書く時代劇、ふだん、小説を読まないうちの母が喜んで読んでくれるのが、実はとても嬉しかったりします。
小説を読み慣れない方でも読んでいただける作品なのかなとも。
実は、当初「箱根編」まで収録するはずだったのですが、ペーズ数の関係で、以下続刊になっております。皆様、よろしくお願いいたします。
■『西原無量のレリック・ファイル』シリーズ→『遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠』と改題しまして、このたび文庫化しました。
加筆修正しております。電子書籍版も出ていますので、よければそちらも
続く「出雲王のみささぎ」「まだれいなの十字架」も、さほど間を置かず、文庫化する予定です。
それと夏~秋にかけてずっととりかかっていた角川さんでの新作、当初は年内に出る予定だったのですが、執筆に少々時間を要してしまい、来年に持ち越しとなってます。
単行本で出る予定です。もしかしたら先行で、またsari-sariさんなどに載るかもしれません。
小説に関しては、以上です。