Diary

2022年を振り返って(その2)

  • 2022/12/31 13:31

→それから、今年は長年の懸案事項だった『風雲縛魔伝』『シュバルツ・ヘルツ』(集英社)『イルゲネス』(マッグガーデン)がそれぞれようやく電子書籍化できました。
特に『イルゲネス』は小説レーベルではなかったので、マッグガーデンの担当iさんが尽力してくださいまして(電書化作業、大変でしたね。お疲れさまでした)漫画のほうから入った方にも小説のほう読んでもらえるかと。
古い作品を電書化するにあたっては、実は毎回校正が入ります。
その確認作業も地味に労力がいったので、なかなか巻数が多いと大変なのです。その作業もあと少し。
紙の本ではもう古本屋さんでしか手に入らない古い作品が、手軽に手にとってもらえるようになるのは、ありがたいです。(紙の本は新たに刷らないと書店さんにも置いてもらえず、新たな出会いの機会がないので)
電書のよさと紙のよさ、両方の選択ができるのが、一番いいですよね。

そして漫画のほうは浜田先生が描かれる『炎の蜃気楼R』4巻と5巻(秋田書店)が発売されました。
仙台編の新たなキャラクターたちが魅力的!
特に伊達トリオ(政宗、小十郎、成実)が大人の魅力溢れていて素敵すぎ!
思わず「もっと出番を増やしていいですよ~!」とけしかけてしまうほど。
あと国領さんがとても良きですね。浜田先生は若者だけでなく、味のある大人を描かれるのがとても巧みでいらっしゃる。熟年世代や高齢者まで、幅広い世代の魅力的なキャラを描けるのは、さすがだと思います。
第6巻は2月発売です!
カバーはあの方とあの方……お楽しみに!

さて、そろそろ〆に入ります。
今年は年齢ゆえの体調不調に見舞われたりしまして「あ、今まで通りにやってちゃだめだこりゃ」ということを思い知りました。
調子が良くなってもふとした拍子に不調がぶり返すこともあるので、来年は「自分ファースト」をモットーに、周囲の理解も得ながら、無理のないペースで物事を進めていこうと心に決めました。
年齢なりの不調は避けられませんが、精神的にはいろんな焦りやプレッシャー、生きづらさといったものから少しずつ解放されて、もしかして「熟す」というのは、こういうことなのかな、とうっすら感じられるようにも。
人生、失うものがあれば得るものもあり、同じ境地ではいられなくなるからこそ「今」という時間が輝くのであり。
無常は切なくもあり、面白くもあり。
何か大きなことを成さずとも、ひとはただ向こうからやってくる毎日をひたすら生きて生きて、与えられた時間の分だけ、命を全うする。ただそれだけで十分価値があるのだということ。やっとわかってきた気がします。

今朝起きて、夕方まで生きているかもわからない。
運命というのはそういうものだから、いま書いているものが最後の一筆になるという気持ちで向き合っていこうと思います。

来年も桑原水菜作品を何卒よろしくお願いいたします。
皆様、良いお年をお迎えくださいませ。

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