カナデ「唐突ですが、こんにちは、嘉手納奏です。困ったことが起きました。桑原センセーが携帯電話をオレに預けて『写メ日記更新しといて！ネタは学校生活でもなんでもいいから！』と言い残し、バックレ（死語）ました。人をこんなお花畑につれてきて何の用かと思ったら、なんて無責任な…山ごもりとか言ってたけどホントかなー…。どっか温泉でも行ったんじゃないの？大体オレが書く日記のネタなんて『今日見たアニメ』とか『今日のアイザックさん』とかそんなんしかないヨ！困ったなぁ…そうだ。内海に相談してみよう」

内海「えっ、日記のネタ？そんなん『今日見たアニメ』とか『今日のアイザックさん』とかでいいんじゃん？
なに？俺のフィギュア？駄目。まろんちゃんたちはうちのブログで美しく披露してるから。
あれ書けばアレ。アイザックさんがそば屋でざるそば頼んで、お茶と間違えて麺つゆ一気飲みした話。駄目？
じゃ、寿司屋でしゃこが出て船虫と思い込んで卒倒した話は？」

カナデ「えええっ！そんなんバクロしたら、ただでさえ最近『アイザックじゃなくてアホザックなんじゃないの？』って疑われ始めてるアイザックさんの立場なくなるよ！
そりゃ確かに、ぷっ●んプリンがお皿におちるの見たさに30個も買って来たり、みたらし団子にマヨネーズかけたり、ＣＭで見た『ねるねる●るね』が気になるって言うから青梅中の駄菓子屋めぐりに付き合ったりしたけど、アイザックさんはそんなにア●じゃないし、昨日だって夜中にこっそり内緒でいっしょに萌アニメ見たくらいしかしてないよ！」

内海「おまえさぁ…フォローしてるつもりかもしんないけど、かえって突き落としてるって気付いてる？？；；
ま、いいや。とりあえずしばらく『今日のアイザックさん日記』つけてみたら？ そうそう毎日ア●なことはしないだろうし。かえってかっこいいとことか見つかって、みんな見直すかもしんねっし。まがりなりにも超騎士なんだし！」

今日はアイザックさんが髪を切りたいというので一緒に散髪に行きました。近所の床屋さんでもよかったんだけど、せっかく日本に来たんだし、アイザックさんにも内海みたいなカッコいい髪型になって欲しかったので、勇気をだして、駅前のヘアサロンに行きました。
アイザックさんは日本の美容院のあまりのキレイさにビックリしたみたいで、緊張してかちんこちんでしたが、シャンプー中にいきなり鼻血が出たとかで大騒ぎになりました。係のお姉さんの手にコーフンしたみたいです。
ヘアスタイルの注文の仕方がわからなかったので「カッコヨク」を連発してたら、ビジュアル系みたいな髪型にされてショックを受けてました。
でもタダでマッサージしてもらえた上にお茶まで飲めたので喜んでました。
来週もまた行きたいそうです。

今日は朝からアイザックさんがやけに熱心にバケツを洗っていたので、洗車でもしたのかな？と思ってみてたら、買い物に行こうと誘われて、スーパーに行きました。
何を買うのか見ていたら、牛乳と特売のフ●ーチェ（オレンジ味）を大量に買い込んでいきました。
嫌な予感がしつつ帰ったら、アイザックさんは案の定、バケツで大量のフルー●ェを作り始めました。
おとといの夕飯のデザートに出たフルーチ●が忘れられず、バケツいっぱい食べてみたくなったそうです。
オレはひとみ叔母さんが同じバケツで雑巾洗ってたのを見てたのでエンリョしたけど、アイザックさんは「大人っていいね」と言いながら、バケツいっぱい●ルーチェを完食してました。
アイザックさんはとても幸せそうでした。

昼間アイザックさんと一緒に『テツコの部屋』を見ていたら、ゲストが連城響生という作家の人でした。
とてもカッコいい男の人だったけど、意外にもミーハーなテツコさんの喋りに圧倒されて、後半ちょっとしどろもどろになっていたのが可愛かったです。
アイザックさんが妙なライバル心を掻き立てられたらしく、いきなり「僕も小説を書く！」と言い出し、ビックリしました。試しに連城さんの小説を買ってきたのですが漢字ばかりで読めなかったらしく、オレが朗読させられました。大変でした。
でもアイザックさんは気にいったらしく、今度の週末のサイン会に行くとか言い出しました。早く続きを出して欲しいそうです。
というわけで、連城さんお誕生日おめでとうございます

（『今日のアイザックさん』はカナデが宿題に追われているため、本日はお休みさせていただきます）

アイザックさんは毎日日本語の勉強をしています。とても熱心です。覚えた日本語はすぐに使います。たまに間違った日本語をそのまま使ってしまいますが、それはそれで果敢なことなのでエライです。
サイキンは「つゆだく」という単語を覚えて、今日もさっそく牛丼屋に行ったのはいいのですが、「テイクアウトにしてちょんまげ」「つゆだくにしてちょんまげ」と大きな声で連発し、さすがに逃げだしたくなりました。
聞けば「人に頼みごとをするときの丁寧な言い方」だと教わったのだそうです。
誰に教わったのか問い詰めたら、犯人は宏武兄ちゃんでした。
純朴なガイジンさんに変な日本語を教えて遊ぶのはやめてほしいと思いました。

今日はアイザックさんに大変なことが起こりました！
大騒ぎ中なのでまた明日。

ちなみに画像はアイザックさんの日本での大好物です。

アイザックさんは駄菓子屋が大好きです。いろんな商品がところ狭しと並んでいるのがたまらないそうです。特にお気に入りはメロン味の粉末ジュースで箱買いするほど凝ってたんですが。
昨日はなんとその粉末ジュースと間違えて入浴剤を飲んでしまいました。
ひとみ叔母さんの買ってきた入浴剤が、たまたまテーブルにおいてあるのをアイザックさんが見つけ、パッケージに「メロンの絵」があったのを見て、新しい粉末ジュースと思い込んだのだそうです。
大騒ぎでした。
最近の入浴剤は、子供だけでなくガイジンさんも間違えるので、パッケージにでっかく英語で注意書きしてあげてくれると助かります。
（ちなみにアイザックさんは「変な味だな」とは思ったけど気付かなかったそうです。超騎士ってみんなそうなの？）

最近アイザックさんはご近所の人気者です。「中高年のための撮影会」のモデルとか英会話教室の先生をやらないか、と声をかけられることもあります。アイザックさんはドイツ人だけど、英語もぺらぺらなのです。
学校のイノクマ先生からも臨時講師をやらないかと誘われてしまいました。
そしたらアイザック先生になるのかな。一緒に学校行けたりしたら、みんなに自慢できるかも！でも女子に人気が出そうで、ちょっとイヤかな…。
人気者になるのはいいことだけど「みんなのアイザックさん」になっちゃうのはオレ的にちょっと淋しいので複雑です…。

カナデ「昨日“ふしぎ●見”みてたらアイザックさんが『ここ行ったヨ！』と大騒ぎして超うるさかったです。
…というわけでセンセーが山ごもりから帰ってきたみたいなのでカナデ日記を終わります。おつきあいありがとうございました。
あと一週間くらいで『シュバルツ・ヘルツ　ゲスタァン　—カラクムルの機械神—』も雑誌コバルトに載ります。ケヴァンがアステカのお師匠さん探しにいきます。お楽しみに。
今度は11月30日発売の新刊で会いましょう☆」