Diary

「荒野は群青に染まりて」最終回掲載

  • 2020/11/21 04:43

さて、今週来週と発売日が続きます。
まずはこちらから。

『青春と読書』12月号(集英社)発売しました。
「荒野は群青に染まりて」第13回(最終回)掲載しております。

終戦直後の東京で、ともに生き抜いてきた群青と赤城。
群青は共に見た夢を「守るため」に赤城を対峙します。
ふたりがそれぞれに示す決断とは。

Re°先生の扉絵は、最終回にふさわしく美しいです。
毎回とても素敵で、私自身、いろんなイメージを喚起されました。
Re°先生、お疲れ様でした。ありがとうございました。

そのようなわけで、約一年間にわたった連載も無事ゴールすることができました。
最後までおつきあいしてくださって、ありがとうございました。
この作品は連載分に加筆修正を加えて集英社さんから刊行される予定です。
青年編の構想もあるので、そちらも形にできるようにがんばります。
応援よろしくお願いします!

そして、本日
新刊『遺跡発掘師は笑わない あの時代に続く空』角川書店
発売です!
こちらもよろしくお願いします。

文庫デビュー30周年に寄せて

  • 2020/11/02 11:58

本日、11月2日は『炎の蜃気楼』第一巻の発売からちょうど30年。
桑原水菜文庫デビューからちょうど30年となりました。

ミラージュについてはちょいちょい語ってますし、またどこかで語る機会もあると思いますので、こちらでは作家業30周年について書きますね。

気がつけば、人生の半分以上を作家として過ごしておりました。
この浮き沈みの烈しい業界で、これだけ長くコンスタントにお仕事をさせてもらえるのは本当にありがたいことです。
常々思うのは「信頼される作家」であり続けたいということで、それはお仕事をいただく出版社さんはもちろんのこと、何よりも読者さんの信頼を得つづけるというのがとても大事で、かつ大変なことでもある、と。
信頼という形自体も色々で、抽象的ではありますが。
三十年続けてきて思うのは、もちろん「期待される作家」であることは商業小説というフィールドである限り欠かせない条件ではあるのですが、それ以前に大事なのは「このひとなら大丈夫」という信頼感なのだなと。
その信頼に応えるためには、自己管理も必要ですし、心や生活が乱れないことも大事。
続ければ続けるほど、地に足をつける大切さが身にしみます。
平常心があるから、物語の中での波瀾万丈に心が耐えられるのだなと思うようになりました。
執筆する上でのこだわりは変化していきます。
吐き出し続けた時期、深掘りした時期、精度にこだわった時期……。
そうやって少しずつ作風も変わるので、読者の方が求めるものとはちがっていったりもしたことでしょう。
それでも私が作品に真摯であり続ければ、芯は変わらないはず。
そこに「桑原水菜」が「桑原水菜」であるゆえんがあるからです。
それが作家としてのブランドの根幹になるのだろうと。

長く続けていく上で、読者さんによっては「求めるものはそれじゃない」というようになる方もいるでしょう。同時に「それ」を新たな面として楽しんでくださる方もいるでしょう。新たな出会いもあるかもしれない。
大事なのは、変化を恐れず、かつ芯を据え続けること。
それなのだろうと思います。

30年で何冊書いたでしょう。130冊くらい?
どの作品もそれぞれに思い入れがあります。
読んでくださった方がいたから、続けることができました。
体力のほうは40代前半より今のほうが確実にありますが(ジム通いのおかげ)ちょっとの無理で体から怒られることも増えました。
これからはなお節制を心がけ、次の作品に集中できるよう、身のまわりも整えていきたいと思います。

そして、信頼と期待を寄せてもらえる作家でい続けられるよう。
これからも一語一語大切に書き続けていきますね。

30年間ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします!

荒野は~第12回&セレクションもろもろ

  • 2020/10/20 10:00

すっかり肌寒くなってきましたね。
そんな中、先日購入した羊毛ベッドパッドがさっそく活躍してます。
ふかふかで天国のよう…。毎日寝るのが楽しみです。

さて、本日『青春と読書』11月号発売です。
「荒野は群青に染まりて」第12回、掲載しております。
連載も残すところあと一回。クライマックスお見逃し無く。

『炎の蜃気楼セレクション』の書き下ろし小説も、無事完成しました。
邂逅編から本編に至るまでの、短編連作を描きました。
原稿用紙でおよそ計100枚という、なかなかなボリュームです。
(私も最初SSと思い込んでましたが、これは立派な短編です)
ミラージュを書いたのは3年ぶりでしたが、まったくブランクを感じず筆が進みました。30年の杵柄は伊達ではなかった……。
Twitterでは書影も発表されましたね。
題字を担当してくださったのは、俳優で書道デザイナーでもある富田翔さんです。
俳優として活動する傍ら、書も披露されており、(舞台で拝見した)書風がミラージュの世界観ともとても合っていて編集部ともども感銘を受けておりました。
景虎役をつとめたご縁もあり、今回は書家として一筆振るっていただくことに。快く引き受けてくださり、感謝です。
書は絵画にも通じるものがあり、イラスト集である今回のカバーは「ミラージュを漢字一文字で表す」というコンセプト。
一筆入魂の「毘」
とても素敵ですので、ぜひ手にとってみてください。

さて来月は、群青の最終回、無量の新刊、セレクション…と盛りだくさんです。
お楽しみに。

 

9月も盛りだくさんで。

  • 2020/09/19 21:57

短かった猛暑の夏が過ぎ、すっかり秋めいてきました。
この一ヶ月は〆切に追われて、こちらの更新もしそびれてしまってました。
遅くなりましたが、この一ヶ月に発表したもろもろです。

□「荒野は群青に染まりて」第10回&第11回
 「青春と読書」9月号のお知らせもしない間に10月号も発売してしまいました。
 両号とも掲載しております。
 群青18歳になりました。
 赤城の過去が明らかになり、物語にも急展開が。
 残すところ連載もあと二回。クライマックスに向けてがんばります。

□「炎の蜃気楼BD-BOX特典 WEBイベント配信開始
 コロナウィルスの影響でWEB配信になりましたイベント。
 こちらも9月4日より配信開始しております。
 TOPから公式サイトに飛べますので、ご購入の方はそちらへどうぞ。
 高耶役の関俊彦さんと直江役の速水奨さんと一緒に楽しくお喋りいたしました。
 まるで同窓会のようで、相変わらず息の合ったおふたりのやりとりに感動。
 司会の増島プロデューサーとのかけあいも楽しく。
 懐かしい振り返りをいたしました。
 関さんと速水さん、まさに声優界のレジェンドとして第一線で活躍されておられるおふたりに大変刺激を受けました。
 常に進化と深化されていくおふたりのようになりたく。
 皆さんにも楽しんでいただけていたら光栄です。
 12月31日まで配信してますので、これからご購入の方も、ぜひ。
 
□「炎の蜃気楼R」(作画浜田翔子先生)
 『ミステリーボニータ』10月号(秋田書店)も発売しました。
 コミカライズ第二回は私も大好きなあのシーンです。
 令和に再始動したコミカライズミラージュ。新鮮な気持ちで読ませてもらってます。
 浜田先生、がんばって!

 今年はデビュー&ミラージュ30周年で何かと賑やかですね。
 そちらも進めつつ、無量や群青の原稿も粛々と進めていこうと思います。
 よろしくお願いします!

ミステリーボニータ9月号発売&『炎の蜃気楼セレクション』発売決定

  • 2020/08/06 14:43

ようやく夏らしい天候になってきました。
先日は近場で開業したホテルで一泊し、リフレッシュしました。
非日常って大事ですね。

さて本日、月刊『ミステリーボニータ』9月号(秋田書店)発売しました。
コミカライズ『炎の蜃気楼R(リブート)』巻頭カラーで連載開始です。
作画は浜田翔子先生です。
原作2巻『緋の残影』からの漫画化です。
懐かしいキャラや懐かしいシーンが盛りだくさん。
原作未読の方にも楽しんでもらえるよう構成されてますので安心です。
電子書籍版もありますので、お好みの形でぜひ!
浜田先生よろしくお願いします。がんばって!

そして『炎の蜃気楼セレクション』(集英社)の発売も決定しました。
ミラージュ30周年を記念して、イラスト集+SS小説+アラカルトという構成です。
歴代のイラスト担当した先生方のカラーイラストをメインに、
本編・邂逅編・幕末編・昭和編を網羅したお楽しみ本になる予定。
11月26日発売を予定しております。
予約も始まっておりますが、書店等での予約特典情報につきましては、今後決まり次第、Twitter等でお知らせがあるかと。チェックしてみてくださいね。

また明日、8月7日よりWebコバルトにて
『炎の蜃気楼』のプレイバック連載が始まります。毎週金曜更新。
まずは第一巻から掲載です。
こちらもぜひ!
よろしくお願いします!

コミック版『遺跡発掘師は笑わない4』最終巻発売

  • 2020/07/31 19:13

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コミカライズ版『遺跡発掘師は笑わない ほうらいの海翡翠4』
作画 睦月ムンク先生(ビーズログコミックス/KADOKAWA)
本日発売しました!

2016年7月の連載開始より、コミックス四巻堂々完結しました!
睦月先生、途中ご体調を崩されてお体が心配でしたが、無事にゴールまでたどり着けて、本当によかったです。
お疲れ様でした!
情報量が多い上に、手間のかかる作画や専門的な要素が多く、
これを画にするには大変な労力であったかと思います。
読み手としても、なかなかイメージがつかみづらい過去の遺物や歴史を
とてもわかりやすい形で提示していただけて毎回楽しむことができました。
また舞台になった土地の描写もすばらしく。
取材した時の映像が重なって追体験しているようでした。
いつもはカバーイラストでしかお目にかかれないキャラたちのいろんな表情を
たくさん描いてくださって、こんなに贅沢なことはありませんでした。
夢のような四年間でした。
シリーズのファンの皆さんにはぜひ手にとって欲しいですし、
初見の方もぜひ読んでほしいです。

丁寧で綿密な仕事をしようとすればするほど、時間も手間もかかるし、
流れの速すぎる時代の中でそれはなかなかできることではないのだけど
作品に最後まで誠実に真摯に向き合ってくださった睦月先生に、心から感謝します。
一コマ一コマに心をこめておられたその筆致は画面から伝わります。
その姿勢に心から敬意を表したいと思います。
そしてそれを楽しみに待っていてくださった読者の皆さんに感謝します。

この第四巻も楽しんでいただけますように。
私もあらためて堪能したいと思います。
ありがとうございました!

そして、追記になりますが
『青春と読書』8月号も発売しております。
「荒野は群青に染まりて」第九回掲載しております。
こちらもよろしくお願いします!

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